

2026.01.16
freee
2024年より完全義務化された電子帳簿保存法。「どこまで電子保存しておく必要があるの?」「デジタルで保存しておけば紙の領収書は捨てても大丈夫?」
開業したての人はもちろん、法改正後の対応で不安がある方も多いのではないでしょうか。
今回は、電子帳簿保存法のポイントや領収書をどう扱うのが正しいのか、税理士でfreee認定アドバイザーの田中慎先生にわかりやすく解説していただきました!
2022年の法改正をきっかけに、領収書の取り扱いは大きく変わりました。これまで「電子で保存したい場合は事前に税務署へ申請が必要」だったのですが、このルールがなくなり、誰でも要件さえ満たせば紙の領収書を捨ててもよいという扱いになりました。
この改正により、大企業でも個人事業主でも、領収書の電子化が一気に進み、日々の管理がしやすくなっています。特にリモートワークが増えた時期に、経費精算のために領収書の原本を集める手間が省けることから、多くの企業が電子化に移行しました。
ただし、「スマホで写真を撮ればなんでもOK」というわけではありません。ここには誤解がとても多いため、注意が必要です。
電子帳簿保存法とは、請求書や領収書などを電子データで保存する場合に守るべきルールを決めた法律です。難しく聞こえますが、大事なのは次のポイントだけです。
“撮影した画像が改ざんされていないと証明できるかどうか”
スマホで撮っただけの画像は、後から加工できてしまうため、法律上は要件を満たしません。
そのため、電子データに付与された日時が、そのデータが作成された確実な時刻であることを証明する「タイムスタンプ」と呼ばれる専用の仕組みを持つ会計ソフトやアプリで保存することが前提になります。
freeeやマネーフォワードなどクラウド会計ソフトの場合、アプリで撮影した時点で撮影日時が自動記録され、改ざん防止の情報が残るため、特別な設定をしなくても電子帳簿保存法に対応した保存が可能です。
ただし、長期間まとめて放置し、後から一気に登録すると、保存期限を過ぎてしまう可能性があるので、できるだけこまめに撮影・登録しておくことが安心です。
加えて、クレジットカード明細だけを残し、店舗の領収書を捨ててしまうのは厳密にはNGです。カード明細では「どこで・いくら使ったか」までしか分からず、「何を買ったか」の証明にならないためです。
電子帳簿保存法が整備されたことで、要件さえ満たしていれば紙の領収書を捨てることも可能になりました。しかし、田中先生は「捨てられるけれど、自分を守る意味ではしばらく置いておくほうが安心です」と話します。
保存期間は最長で7年と長く、そのあいだに使っているツールや保存環境が変わることも珍しくありません。将来、別の管理方法に切り替えたときに「紙を捨ててしまったから証明できるものがない」という状況になってしまうことに。
スタートしたばかりの事業であれば、領収書の量もそれほど多くありません。そのため、「捨てられるけれど、しばらくは保管しておく」という選択は、実務的にも安心できる方法です。
簡単なファイルをひとつ用意して、年度ごとに領収書をまとめておく。それだけでも、いざというときに自分を守る、シンプルで確実な備えになります。
電子帳簿保存法は難しそうに見えますが、押さえるべきポイントは実は多くありません。不安がある場合は、早めに専門家へ相談しながら、自分に合った方法を整えていくと安心です!
2026.01.16