2024.09.25
freee
freee会計を使い始めても、「なかなかうまく使えない」「ほかの会計ソフトの方が使いやすい」という理由でやめてしまう方もいらっしゃいます。
freeeは他の会計ソフトと考え方が違うところがいくつかあり、そのポイントをおさえることが重要です。
今回はそもそもの「freeeの基本設計」についてお伝えします。
freeeは「会計ソフト」を目指している訳ではありません。
freeeが目指しているのは「会計を軸に、すべての業務に関する情報がfreeeにある」状態を目指していると言えます。
また、一つずつ仕訳を手入力していくのではなく、既にあるネットバンキングやクレジットカードのお金の動きに関するデータを取り込んできて、人が作業をすることなく会計データが出来上がることを理想としています。
なので、「現金出納帳を入力するにはどうしたらいいか」「預金通帳をどう入力したらいいか」と最初悩む方もいらっしゃるかもしれませんが、そもそもそうした入力を前提につくられたソフトではないことを理解することから始まります。
もう一点、「今までやっていたような、うちの独自の仕訳がきれないんですけど」というような、自社の業務にシステムが合わせられないかという質問も多く見受けられます。
freeeは事業を始めたばかりの方にとって価格が安いわけではないですが、機能に比べると破格といっていいほどの安価です。請求書発行や振込データ作成、レシートの内容を読み取るOCR機能やネットバンキング等とのAPI連携をはじめ、少なくとも中小企業に必要な機能はfreee上でおおよそ網羅されています。
もちろん業種的に補うべき機能はありますが、別システムとデータ連携できることが多いというのも特色です。
いつもよくお伝えすることは「自社の業務にシステムを合わせるのではなく、システムに自社の業務を合わせましょう」ということです。
手作業でやっていた時代から業務フローを引きずっているような場合、多くはこれまでシステム会社が様々なオプション提案をする中で業務にシステムを合わせてきました。
そのかわり、システム費用が大きくなったり、それを補助金で賄う、あきらめて手作業を続けるという非効率な状況が続いてきました。
freeeは従来のソフトに比べれば、あまり融通がきかず、ある程度システム側に業務を合わせなければうまく使いこなすことができません。
こうした業務を統合するようなソフトは、むしろこのシステムに業務を合わせることを通じて業務改善が進むことを理想としています。
多くの会社で効率的であろう業務の流れを基礎としてつくられたシステムにあらがって、自社のやり方を続けていくことは多くの場合において非効率であるといえます。
下の図は、昔の手作業での経理の流れがパソコンを利用した会計に代わり、現在はクラウドを軸に代わってきた流れを示しています。
近年、軽減税率やインボイスなど税務が複雑化してきていますが、これらは手作業でのチェックを前提とした制度ではありません。
クラウドシステムは、まだまだこれからの部分もありますが、図のオレンジ部分を自動で完結させることを理想としています。
慣れないからといってfreeeを使わないのではなく、ぜひ経理の自動化にチャレンジする意味でもfreeeの基本設計を理解して、うまく使っていただければと思います。
2024.09.25