2025.09.04
freee
税理士の田中です。
スタッフからの質問で「減価償却の法定償却方法は個人事業主と法人とで違うんですか?」という質問がありました。
その通りで、たとえば工具器具備品について、何も償却方法の選択について届出を出さなければ個人の場合は「定額法」、法人の場合は「定率法」となります。
事業を始めて間もないとき、机やパソコン、什器などの「固定資産」を購入する場面は多いでしょう。
その際によく出てくるのが「減価償却」という考え方です。
最初はピンと来ないかもしれませんが、実は会社の資金繰りや税金計算に大きく影響します。
固定資産を購入した金額は、通常その年に全額経費にできません。
資産の種類ごとに定められた耐用年数に従って、少しずつ経費化していく仕組みが「減価償却」です。
基本的な償却方法は「定額法」と「定率法」です。
現在、建物や付属設備などは定額法が法定償却方法とされています。
定額法は毎年同じ額を経費に計上していく方法で、キャッシュフローの見通しを立てやすいのが特徴です。
一方、定率法は、初期に多くの費用を計上できる方式ですが、現在は一部の資産に限定されています。そして原則的に個人事業主はすべて「定額法」が法定償却方法となります。
起業初期はキャッシュが不足しやすいので利益を初期に減らして税金を減少できる「定率法が有利では?」と考える方もいますが、法律で認められる方法は資産ごとに決まっているため、自由に選べるわけではありません。
実務でfreeeを使う場合、たとえばパソコンを購入した時の仕訳入力では「工具器具備品」として登録します。
それと同時に固定資産台帳に資産を登録する必要があります。
freeeの固定資産台帳への登録では、記載した資産の内容や個人か法人かに応じて、勘定科目や償却方法を推測してくれる機能があります。
本来ならば自分で調べて登録する必要がありますが、こうした便利な機能を使えるのはよいですね。
このようにして固定資産台帳に登録すると、自動的に減価償却の金額が計上されるようになっています。
ポイントは仕訳への登録と固定資産台帳への登録という2つの処理を忘れずに行うことです。
固定資産の減価償却について、しっかり理解しようと思うとかなりの知識が必要になりますが、起業家のみなさんはこの登録ができればまず大丈夫です。
少しややこしく感じるかもしれませんが税理士のサポートを受けつつ、freeeを正しく使えば安心して経営に集中できます。そして固定資産の償却の仕方によって大きく利益が変わることもあります。
長く続く会社を作るために、資産管理についてもしっかり目を向けていきましょう。
2025.09.04