ブログ

税理士 / 中小企業診断士 / イノベーション・コーディネーターとして働く中で田中慎が考えたこと・感じたこと税理士 / 中小企業診断士 / イノベーション・コーディネーターとして働く中で田中慎が考えたこと・感じたこと

2012.05.17

経営

多品種少量生産の現場でipadによる工程管理

製造現場でのipad活用事例が紹介されています。

 

 【連載】事例で学ぶiPhone/iPad活用術 (62) 製造現場でiPadを活用し、生産性と品質向上を実現(動画付) | ビジネスPC | マイナビニュース
多品種少量生産の製造業においてはさまざまな工程手順が存在する。複数製品について1枚の紙の工程管理表を使用する場合、ある製品については不要な工程が存在することや、手書きによる修正が入るとどの工程が重要なのかが分かりにくい。

また、現場では作業担当者間で知識や経験の共有がされておらず、作業効率の改善が問題視されていた。

2か月で10件不適合品が発生する現状を改善するため、抜本的に作業工程の見直しを図る手段としてipadを利用した。

使用したのはテクノツリー社の作業工程管理システムXC-Gateで、どこでも簡単に文書や点検表を閲覧できるもの。管理者はExcelファイルで製品単位の工程管理表や出荷検査表の入力画面を作成、XC-Gateサーバへデータを格納する。現場担当者はデータをipadに取り込み作業中に入力し送信することでサーバ上のデータが書き換えられる。管理者はそれをもとに進捗確認やデータ分析を行う。

提案からおよそ4か月で完成し、翌月には運用を開始。工場内現場スタッフにipadを20台配備した。

およそ360の製品すべてについてではなく、毎月製造される90製品ほどに工程手順を優先して集約した。製造頻度が高い製品の指示文書がipad上に表示され、担当者は基準と照らし合わせて作業を行うことができる。図面上に良否判定基準を確認するための図解が表示されるため、良否の自己判断が可能になった。

さらに従来の出荷検査表は文字の記載だけでわかりづらかったが、検査項目の図解も表示され、作業担当者の理解が深まった。

従来ペンで1件1件項目ごとにチェックしていた工程表や検査表は、ipadの画面で表示されている選択ボタンを押すだけで対応可能になった。

従来、工程管理表は月に2000枚を超える文書やチェックシートがあり時間的に無理があったが、ipad導入後は工程管理表、出荷検査表、部品挿入図、部品良否判定、見本図などがipadに集約され、紙のチェックが不要になり、間違いも減った。

紙の管理表や検査表を事前に印刷する必要もなくなり、作業処理時間は30分前後早くなりペーパーレスにもつながっている。

不適合品の発生抑制や無駄な時間の削減、ペーパーレス化で年間390万円の削減を見込む。

ipadの製造現場への導入事例ですが、ipadを導入する際に製造工程を抜本的に見直したことに意義があると思います。

ツールはあくまでも補助に過ぎないので、新しいツールを導入するだけでは業務改善はできません。それを使ってどういうことが実現できるのか、そのためには今の作業をどう改善する必要があるのかをじっくり検討する必要があります。

ipadの導入はそのいいきっかけになるでしょう。

2012.05.17