2012.01.23
税務会計
平成23年度税制改正で年金所得者の申告手続きが簡素化されました。
平成23年分以後の各年分について、公的年金等の収入金額の合計額が400万円以下で、公的年金等に係る雑所得以外の所得金額が20万円以下である場合には、所得税の確定申告をする必要がなくなりました。(所得税法121条の3)
まず、公的年金等の収入金額の合計額が400万円以下で、公的年金等以外の収入がない場合には確定申告書を提出する必要がなくなります。
高齢者の事務負担を軽減するための施策であり、非課税措置ではありません。
また、医療費控除や社会保険料控除などの控除を受ける場合には還付を受けるための確定申告書を提出することができます。
注意すべきなのは、公的年金等に係る雑所得以外の所得金額が20万円以下でもある場合には、所得税の確定申告は不要ですが、住民税の確定申告が必要になります。(地方税法45条の2)
確定申告書の提出先が税務署ではなく市役所になるわけで、確定申告自体は必要になります。
たとえば、公的年金等の収入が400万円以下であるため確定申告の必要がないと思っていても、生命保険の満期保険金の入金などがあり20万円以下の一時所得が生じた場合には、所得税の確定申告は不要で、住民税の確定申告が必要です。
大勢の高齢者の確定申告が不要になれば確かに事務手続きは軽減されますが、高齢者が申告の要否を判断するのもまた大変な作業だと思います。
2012.01.23