2025.08.23
freee
起業して間もないとき、請求書や経費処理だけでも手一杯なのに、「インボイス制度」について考えなければなりません。
税理士がいないフリーランスの方はこのインボイス制度に関連し「2割特例」という制度を正しく理解していなければ大きな損をしてしまうこともあります。
インボイス制度では、売上が小規模な事業者であっても取引先から「適格請求書(インボイス)」の発行を求められることで、免税事業者のままではビジネスに支障が出るケースがあります。そのためインボイス登録をするのですが、インボイスを発行することになるとその時点で消費税の課税事業者になります。
消費税は想像以上に納付の負担が大きく、資金繰りを圧迫することもあります。この点に配慮したのが「インボイスの2割特例制度」です。
この制度は、売上にかかる消費税額を実際に計算するのではなく、「売上に係る消費税額の2割を納付すればよい」とする簡便措置で、特に仕入や経費が少なく、控除できる消費税が少ない業種ではメリットが大きい仕組みです。
例えばフリーランスのデザイナーやコンサル業など、外注費や仕入がほとんどない方にとっては納税額を大幅に抑えられる可能性があります。
一方で注意点もあります。
初期に設備投資を行うスタートアップでは、通常計算の方が100万円単位で有利になる場合もあります。つまり、単純に「楽だから」と選ぶのではなく、事業の状況を踏まえてシミュレーションすることが重要です。2割特例は申告時に選択することができる制度ですが、税理士としての視点から言えば、年度ごとに経営計画と合わせて適用を検討することが欠かせません。
実際の処理では「freee会計」を使う方も多いでしょう。
freeeではインボイス制度対応の設定が可能ですが、2割特例を適用する場合は消費税申告の画面での選択に注意が必要です。
日々の売上入力は通常どおり「課税売上」として登録するのですが、小規模事業者持続化補助金のような補助金収入は税区分を「対象外」としておかなければなりません。
税理士がいないフリーランスの方でも、いろんな補助金をもらっていることがあると思います。仕訳段階で誤っていると、そのまま消費税申告書が作成されてしまうので、気づかないうちに損をしていることがあります。画面の場合の税区分の間違いの場合、27,000円ほど多く納税してしまうことになり、実際にこのような間違った処理を見かけることがあるので、よく注意しましょう。
インボイス制度は、若手起業家にとって「避けられないルール」になりました。
その中で2割特例は負担を和らげる有効な手段ですが、最適な選択は事業ごとに異なります。迷ったときは税理士に相談し、事業と資金繰りに合った形を選んでいきましょう。
2025.08.23