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税理士 / 中小企業診断士 / イノベーション・コーディネーターとして働く中で田中慎が考えたこと・感じたこと税理士 / 中小企業診断士 / イノベーション・コーディネーターとして働く中で田中慎が考えたこと・感じたこと

2021.12.21

友だちから見た田中会計

税理士っぽくないって言われるけど、税理士ならではの方法で皆の「やりたいこと」を応援したい。|vol.01前編

左から田中、熊倉、武田です

「広報を手伝ってほしいねん」

そんなことを社外の人に頼む税理士は、きっとなかなかいないのだと思います。京都市ソーシャルイノベーション研究所(SILK)の同僚である田中慎さんからそう言われたので、さっそく慎さんとスタッフのお2人にお話を聞くことに。12月の頭、大阪梅田のクリスマスムードに圧倒されながら、打ち合わせ場所のコワーキングスペースONthe Umedaへ向かいました。

ムダが嫌い。面倒くさいのも嫌い。だから、お互い楽になるやり方を提案する。

─ 聞きたいことは山ほどあるのですが、まずは田中経営会計事務所(以下、田中会計)はいったいどんな税理士事務所なのか、特徴や強みなど教えてください!

熊倉:慎さんのこだわり、私も聞きたいです。

田中:上から目線でものを言わないとか?

武田:それはわかるんやけど、田中さんは優しすぎるねん。もっとはっきり言わな伝わらんで!って思う時もあります。

田中:言うべきところはけっこう厳しく言ってるつもりなんやけど……。武田が今頑張ってくれてる業務設計は大事やと思うから、増やしていきたいな。

武田:私は飽きっぽいから、会計処理の単純作業は好きじゃないんです。やから、その前段階の業務設計をしっかりお手伝いしたくて。たとえば、クラウド会計ソフト「freee」を導入したり、「Googleスプレッドシート」で案件管理したり。そういう仕組みを整えれば、日々の業務がめっちゃ楽になるんですよ。色んな数字が紙やらExcelやらあちこちに散らかっている会社さんも多いし、そのぐちゃぐちゃの状態を一つずつ整理していくことから始めないと、膨大な時間を事務作業にかけ続けることになるので。

─ バックオフィスのコンサルみたいですね。整理していくのはなかなか大変だと思うのですが、なぜそこに取り組もうと思ったんですか?

武田:面倒くさいことが大嫌いやし、無駄な作業があると見てて腹が立つから!仕組みが整っていないとミスも増えるし、やり直すにも間違ってる箇所を見つけにくいのでまた手間がかかります。そうなると、人間関係までギスギスしてくるんです。お客さんにも、どうせなら楽しく仕事してほしいじゃないですか。私は働くことが好きやし、人も好きなので。

田中:業務設計を手伝う税理士事務所ってほとんどないみたいで。でも、すごく大事やと思うんです。他の税理士さんが入ってる会社からの相談もけっこうありますよ。僕らなんでもやるんで。社長の壁打ち相手になったり、広報や労務のアドバイスをすることもあるし。京都市ソーシャルイノベーション研究所(SILK)と連携してサポートするとか、司法書士の友人を紹介するとか、その時々で考えて周りの人を巻き込みながら動いてます。色んな仲間がいるので心強いですね。

税理士っぽくないとよく言われるけど、税理士の仕事はすごくやりがいがある。

─ 私、普段は慎さんが税理士やってことを忘れているので、たまに「先生」って呼ばれてるのを聞くと笑ってしまいます。

田中:せやろ(笑)。税理士っぽくないとはよく言われます。中小企業診断士でもあるし、京都市ソーシャルイノベーション研究所のコーディネーターに、「SOU-MU NIGHT」も主催してたり、よくわからん人やと思われてるのかも。でも、税理士の仕事はすごい大事にしてるんですよ。税理士やからこそ、事業相談を受けるにしても内側までわかった上で話ができるので。何がうまくいってないのか、何に力を入れているのか、そういうことは全て数字に表れるから。

─ 確かに。そう考えるとすごい仕事ですね。しかも、長い付き合いになりますもんね。

田中:話だけすればいいんやったら、ちょっとかっこつけたり、後付けで説明できたりもするじゃないですか。現実の数字を見ながら地に足のついたアドバイスができるのは、税理士の特権やと思います。その分、責任重大ですけどね。理想論もいいけど、夢物語みたいな計画を立てても続かなかったら意味がないんで。

税や経理に関係ないことでも相談してほしい。税理士として損か得かの話は伝えた上で、その人・会社の「やりたいこと」を問う。

─ お客さんにとったら、すごく頼もしいパートナーですね。

熊倉:打合せでも、田中さんが入るとやっぱり空気が変わります。「どうや最近?」とか聞くだけなんですけど。

田中:税理士って、新しい会社や個人事業主が最初に出会う士業なんです。確定申告があるから税理士がいらない業界はないし、はじめから社労士さんや弁護士さんと契約する余裕はない。やから、本当に色んなこと聞かれますよ。社員が辞めることになったんやけど何したらええんやろう、とか。

武田:パソコンは何を買ったらいいですか?とか、雇用形態はどうするのがいいと思う?とか、色々出てきますね。

田中:それでいいと思ってて。軽いことも重いことも、とりあえずなんでも相談してほしいです。こんなこと聞いて大丈夫かな、とか思わずに、投げてもらえたら。税理士として損か得かの話も伝えますけど、僕は数字よりも「やりたいことは何なん?」っていうところを大事にしています。目の前の損得よりもっと先に判断軸を置く方が、長い目で見ると絶対にいいから。ただ、税理士を探している人の中にはそういう視点を求めてない人も多いので、その場合は違う税理士を紹介してもらった方がいいと思います。

武田:田中さんがもっと事業の相談に時間を使えるように、私たちにできることはどんどん任せてほしい。税に関する複雑な話の時は入ってもらいますけど。でも、なるべく最後5分だけでも田中さんを呼ぶようにはしています。別にいいですってお客さんに言われることもあるけど(笑)。やっぱり田中さんの「順調ですね」っていう一言があると、お客さんは安心しはるねんな。

─ いいチームですね。ここからさらに、田中会計ならではの仕事が増えていきそうだと感じました。

田中:2人が入ってくれて、できることが広がったかな。色んな人の事業に関われるのはすごく楽しいです。関わり方は本当に色々ですけど。話を聞く中で、本人が気づいていない強みを見つけたら、それを伝えて背中を押す。社員が疲弊していると感じたら、チームビルディングをどうしていくのかを一緒に考える。お客さんも社外の仲間も、おもろい人が多いんですよ。やからいつも楽しいな。

お客さんにもスタッフにも、気持ちよく前向きに働いてほしい。

─ 記事には書けないような話も色々とお聞きしましたけど、とにかく皆さんのびのびと明るく楽しく仕事をされていていいですね!

田中:こないだ知り合いに、僕の仕事は感情労働やなって言われて。肉体労働でも頭脳労働でもなく、感情で働いてるって。確かにそうかもしれへん。打ち合わせでも、最後はポジティブに終わることは大事にしてます。優しく甘やかすだけの税理士はいる意味がないと思うので、会社を良くしてもらうために必要なことはちゃんと言いますけど。最後には前向きに、楽しみですねって言って終わりたい。今ある数字を処理するだけじゃなくて、事業の将来を一緒に考えながら数字を作っていくことをやりたいので。

─ ありがとうございました。後編では、武田さんと熊倉さんの人となりや入社のきっかけをご紹介いただきます!

[ 後編 〜メンバー紹介〜 へ続く ]

文・写真:柴田 明

2021.12.21