2026.02.01
蘇嶐窯 (京都府京都市)
事業承継/freee/ものづくり

2025年の夏、田中経営会計事務所(以下、田中会計)が「縄文のたわむれ」というイベントを企画したことをご存知でしょうか?
その発端となった陶器のボードゲーム「縄文チェス」を作ったのが、京都・東山にある窯元「蘇嶐窯」(そりゅうがま)のお二人です。

工房兼ギャラリーで迎えてくださったのは、4代目 涌波 蘇嶐(わくなみ そりゅう)さんとパートナーのまどかさん。まどかさんの出身である福岡・小石原焼と、京都・清水の地で代々続いてきた京焼青瓷(せいじ)、ふたつの技術が融合したブランド蘇嶐窯のうつわを、田中慎さんも担当の熊倉さんも日々愛用しているそうで。
「生活が豊かになった」
「花瓶を作るワークショップもめっちゃ楽しかったです」
と、その魅力をたっぷり語ってくれました。事業承継を見据えて税理士を探していたという蘇嶐窯さん。お二人にとって、田中会計はどんな存在なのでしょうか。

熊倉:1年半くらい前から、顧問としてお付き合いさせていただいてますよね。お店を改装するのに、初めて借り入れをするというタイミングで。
涌波:はい。それまでは自分で確定申告をしていたので、田中さんと熊倉さんのおかげで精神的にかなり楽になりました。時間もだいぶ割いていましたし、自分のやっていることが合ってるかどうかがわからないので、税務署から何か届くたびに不安になってしまって。
まどか:確定申告の時期になると、本当に憂鬱そうだったんです。色んな書類を広げて手作業でやっていたところから、freeeの使い方を教えていただいて、レジとの連携もできるようになって。明らかに手間が減りました。
涌波:ストレスがなくなった分、ものづくりに集中できるようになりましたね。はじめの頃は、経理業務の大切さを全然わかってなかったんですけど、やればやるほど重要だと思い始めました。会計を通して、社会の仕組みを少しだけ理解できるようになった感じがします。

田中:息子さんへの事業承継という大事な節目を見据えて、いい流れを作っていきたいですね。
まどか:いつも家族間の話も含めて相談に乗っていただいて、ありがとうございます。昨日も3時間みっちり家族会議をしたんです。私たちがこの仕事を始めた時の感覚と、今の子たちってやっぱり感覚が全然違いますよね。息子は息子なりに危機感を持っていて真剣だし、私たちも10年かけてこのブランドを育ててきて、厳しい世界だってことはひしひしと感じているので、慎重になってしまうところもあって。
熊倉:3時間も!それだけちゃんと向き合ってお話ができる関係性がすごいです。
まどか:でも、親子で話しているとどうしてもお互いに甘えが出てしまうし、曖昧になりやすいとは感じています。緊張感を持つためにも、個人事業主から会社にしようと思うようになりました。
田中:事業承継って本当に複雑で、一筋縄ではいかないんですよね。それを4代続けてこられているのも、すごいことです。

涌波:僕はもう、この青が美しいから残したい、っていうそれだけでした。初代 涌波 蘇嶐がおじいちゃんで、2代目が父。僕が高校3年生の時に父が亡くなって、母は作り手ではなかったんですけど、次につなぐために3代目を継いでくれたんです。
僕は長男で、この青磁をなくしたくないと思いながらも、お金の面でも厳しいし、悩みましたけど。母が「やってみて、あかんかったらやめたらええやん」と気楽な感じで言ってくれて。
まどか:専門学校で出会って結婚して、最初はそれぞれバイトをして稼ぎながら、試行錯誤しましたね。茶道具として発展した青磁と、私がやってきた民藝を組み合わせたうつわ作りも、ひとつの挑戦でした。作家としての涌波 蘇嶐の作品とは切り分けて、普段使いのブランドとして蘇嶐窯を立ち上げようと。
熊倉:その後も息子さんの学校の宿題をきっかけに縄文シリーズを始めたり、木工の作家さんやシェフとコラボレーションしたり、伝統を受け継ぎながら常に新しいことにチャレンジされていて、素敵だなと思っています。

田中:お二人にはうちの事務所の感謝祭にも来ていただいて、嬉しかったです。
まどか:イベントにお邪魔して、田中さんのイメージが変わりました。打合せの時と雰囲気が違って、「こんなにシャキシャキ大きい声で喋る人なんだ!」って(笑)。何よりも、縄文チェスを買ってくれたことが衝撃でした。これを買うのは海外の方だろうと思っていたので。しかも、飾る用じゃなくて色んな場で使っていただいて、めちゃくちゃ嬉しいです。
田中:うちが買ってもご迷惑かなとも思ったんですけど、こういういいものが多くの人の目に触れてほしくて。めっちゃ持ち歩いてプレイしてます。縄文チェスがきっかけで大阪でのイベントが生まれて、僕たちも関係性が広がりました。スタッフがルールブックを作ってくれたので、どんどん活用していきます!

縄文のたわむれの様子
まどか:感謝祭でお話しした方々が、先日、陶芸のワークショップにも来てくださって。私たち二人とも人見知りなんですけど、チェスを囲んで自然と盛り上がれて、ありがたい場でした。
涌波:税理士さんのイメージが変わりましたね。こんなに深く関わるもんやと思ってなかったので。むしろ、税のことよりそれ以外での関わりの方が多い気がします。こうやってインタビューを受けるのも驚きですし。
田中:深く知って、応援したいと思える関係性の方が、税務サポートのやりがいがあると思っていて。打合せでお邪魔した時に、単純に好きだからうつわを買って帰って、そのおかげで生活が豊かになっている。ものづくりをする人へのリスペクトがずっとあって、こういうかたちで応援させてもらえるのは個人的にも嬉しいんです。
熊倉:今、中小企業診断士の取得を目指してるんですけど、お二人のようなクライアントさんの存在が、勉強のモチベーションになっています。もっとお力になれるようにがんばろうって。お願いして小さめのサイズで作っていただいたお皿をほぼ毎日使ってますし、参加させてもらった生け花のワークショップも、すごく楽しかったです。あれがきっかけで、お花を買って家に飾るようになりました。
まどか:いやー、嬉しいですね。熊倉さんがいつも優しくて、わからないことがあった時でもすぐに聞けるので、本当に助かっています。

涌波:税務署から来た書類とか、以前はもう呪文みたいに見えてたんです。今は、全て写真を撮って熊倉さんに送らせてもらって、解説していただけるので。中身がわかると、会計が重要なんだってことが自然と理解できました。
熊倉:そう言っていただけて嬉しいです。生活の中で使っているモノを作った人たちの支援ができるって、幸せな仕事だなぁと毎日実感していて。これまで担当してきたクライアントさんは無形のサービスを提供する会社が多かったので、新鮮な気持ちです。お二人にとって一番いいかたちで、サポートさせてもらえたらと思います。
涌波:僕たちみたいな仕事って、会計がどうしても後回しになってしまうんですよね。作りたいものがたくさんあるし、ろくろを回してみたら、もっとあぁしたいこうしたいってなって、作ることばっかり考えているので。でも、作り続けるためには、会計は絶対に必要で。そこがクリアになったことで、安心してものづくりができています。

まどか:2029年に会社を設立しようと決めたので、そこに向けてしっかり整えていきたいですね。
田中:これから法人化したり、また別の新しい展開があったり、その時々のフェーズに寄り添った支援ができればと思います。売上を伸ばさなあかんタイミングが出てくるかもしれないし、状況と目指すものに応じて何が必要かを見える化していくことが大事ですね。
涌波:はい、今後ともよろしくお願いします。
田中:今日はありがとうございました!

以上、田中会計の顧問先インタビュー第5弾でした!
インタビューの後は、ギャラリーへ。先代たちの作品も並んでいて、時代によって少しずつ変化する青に惹き込まれます。買い物をしたり、お客様の要望で作った商品がビッグチャンスにつながったという素敵なエピソードを伺ったり。心地よく日が差し込む空間でたくさんのうつわに囲まれて、楽しい時間を過ごしました。
それにしても、縄文シリーズの土偶たちのなんとかわいらしいこと。写真で見ても十分かわいいのですが、実際に触れるとしっとりとした質感がたまりません。縄文チェスをプレイしてみたい方は、ぜひ田中会計のメンバーにお声がけくださいね!
協力:蘇嶐窯 webサイト
文・写真:柴田 明



