2025.07.21
税務会計
最近、うちも新入社員が入ってきたり、新しい顧問先が増える中で、「私たちが提供しているサービスはなにか?理想としている関係はなにか?」について整理したうえで、どのようなことを私たちが支援しているかを書いていこうと思います。
このような税理士事務所の支援の在り方は、もちろん私たちだけではありませんが、まだクラウドベースでの提供に取り組んでいる税理士事務所も比較的少なく、新しいモデルだと感じています。
私たちはこのように9つの視点で企業支援をしていきますが、今回は具体的な内容の説明の前に、会計のやり方についてどのように変わってきたのかをお話しましょう。
税理士事務所というと「会計の処理をしてくれる人たち」というイメージがあるでしょうか?
私たちの事務所では、原則会社側で会計の処理をしてもらいます。
こうした取り組みは昔から「自計化」という言葉で表されてきました。というか、自分の会社の数字という何より大事なものを、自分たちで管理して本来は当たり前なんですね。
よくうちに相談がある会社の悩みとしては
税理士さんに処理してもらっているので、試算表ができるのも遅いし、何がどの科目に含まれているか分からない
そういう会社は間違いなく自計化することでコストを見直し、収益を改善できる点があります。
起業家が自分の会社の数字を理解せずに経営をすることなどできません。
最初は当然何をどう見ればいいか分からないでしょう。
しかし、預金の残高がどう推移しているかを見ることはできるでしょう。
次に売上や利益率がどのように推移しているかも理解することはできますね。最低でも毎月そうした数字を眺める時間をつくりましょう。
そうすると、「なぜこの数字はこうなっているのだろう?」という疑問が出てきます。そうなったら一つ目のステップはクリアです。
税理士事務所はその読み解き方の支援をする。
当然専門的な知識が必要になってくるので、そうした処理の仕方や疑問点を解決してサポートしていくのが私たちの仕事です。
そうして、会社の数字を把握できる起業家になることが企業成長の最初の重要なステップだと考えています。
「丸投げでしてもらった方が楽」「なぜお金を払って自分たちで処理をしなくてはならないのか」
そうした言葉ももちろんあります。
むしろ最近は人手不足もあいまって、そうした「経理を外注する」流れも再び強まってきたように思いますし、いちからすべて会社で入力することが大変だということももちろん分かります。
その間をとったようなモデルが「クラウド型自計化モデル」だと思っています。
自社で経理処理をすると言っても、すべてを入力する必要はありません。
インターネットバンキングやクレジットカードの情報をクラウド会計に取り込んでくると、その時点で仕訳処理が完了するように設計することが可能です。
うちでは新規顧問先の90%以上にfreee会計を導入してもらっています。
業種にもよりますが、実際にfreee会計をうまく設計できれば毎月の仕訳処理の80%を自動化することもできています。
そうした業務の効率化を顧問先と一緒に考えることも私たちの仕事です。
起業家にとって、会計を効率化したり読み解けるようになることは手段でしかありません。
自分たちが創業をしてまで、「事業を通じて実現したいこと」があるはずです。
その実現したいことを道筋を描いて、ミッション、ビジョン、バリューのような言葉にしたり、中期計画や単年度計画の数字に落とし込んでみます。
その計画と実際に現状の進捗がどうなのかを図ることができるのが「会計」です。
従来は計画策定や予実管理をするためには、会計からデータを取り出してスプレッドシートによる管理をすることが通常で、そのためには十分な会計の知識と資料作成の時間が必要でした。
しかし、今はfreee会計から毎日データを同期して計画数値と予実管理をリアルタイムにすることができるbixidという経営支援クラウドも出てきています。
高いコストを払わなくても、創業初期から経営計画との予実管理ができる。そのデータをもとにアクションプランを設定したり、次年度の事業計画を考えることができる。
今すでにそんな時代になっています。
今後、近い未来に会計処理の自動化までは生成AIでできるようになるでしょう。(なってほしい)
私たちの仕事は、「会計的思考」で起業家の成長に伴走することに間違いなくなっていきます。
そんな未来を見据えて、私たちがどのような経営支援をおこなっていこうとしているか、次回以降に起業家のための会計にまつわる9つの視点として書いていきたいと思います!
2025.07.21