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税理士 / 中小企業診断士 / イノベーション・コーディネーターとして働く中で田中慎が考えたこと・感じたこと税理士 / 中小企業診断士 / イノベーション・コーディネーターとして働く中で田中慎が考えたこと・感じたこと

2025.07.18

税務会計

法人の税込経理と税抜経理の見分け方と違い

こんにちは、税理士の田中です。

社内の新入社員への勉強会で「税込経理と税抜経理」について話をしました。

実務ではどちらで処理しているかを把握するのはとても大事なことです。

今回は、両者の違いについて解説します。

まず、税込経理方式は、売上や仕入を消費税込の金額で処理する方法です。一方、税抜経理方式は、売上や仕入を消費税抜の金額で処理します。

税込経理方式は、計算が比較的簡単であるというメリットがあるので、事業を開始したばかりの事業者や法人が採用しています。消費税の免税事業者はもちろん税込経理でスタートします。

税込経理では消費税額が明確にならないというデメリットがあります。

一方、税抜経理方式は、期の途中でも消費税額が明確になるため、より正確な納税額を算出できますが、計算が少し複雑になるというデメリットがあります。

どちらの経理方式を選ぶかは、会社の規模や業種などを考慮して決めるのが一般的ですが、うちの事務所では売上1000万円を越えて本来の消費税の課税事業者になってくれば税抜経理に変更するようにしています。

やはり会計処理をする意味は正確な利益予測にあると考えているからです。

期末における処理

期末における処理も異なります。

税込経理方式では、期末に納税額相当を未払消費税として計上します。

一方、税抜経理方式では、売上税額と仕入税額をそれぞれ集計し、その差額を未払消費税として計上します。

この期末の処理の違いから、税込経理では最後に租税公課として年税額が費用計上されるので、「思ったよりも利益が出なかった」ということに繋がります。

経営をしていく上で、常に利益の予測ができるというのはとても大事なことです。

ぜひ税抜経理にシフトしていくようにしましょう。

2025.07.18