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税理士 / 中小企業診断士 / イノベーション・コーディネーターとして働く中で田中慎が考えたこと・感じたこと税理士 / 中小企業診断士 / イノベーション・コーディネーターとして働く中で田中慎が考えたこと・感じたこと

2018.02.01

日々のこと

数字のコンテキスト(文脈)を読むということ

先日のイノベーションキュレーター塾は平田オリザさんのワークショップと講演という贅沢な時間を過ごさせてもらいました。

その中で印象的だった言葉が「コンテキストを読む」ということ。

発せられた言葉をそのまま受け取るのではなく、その人が何を意図してその言葉を発したのかを考える。

それがコミュニケーションには大切で、いまだAIが苦手とすること。

それは、経営の数字においても同じことが言えます。

ある経営者が他社の決算書を見て「売上の1%しか利益が出ていないなら、事業をする意味がない。」とおっしゃいました。

それに私は本当にびっくりしました。

それなりの規模の経営者(創業経営者ではありません)が、決算書を見る能力がないということ。

また、他社の事業を決算書だけを見て否定するという人間性。

むしろ、この経営者の会社が今後危機に陥っていくのだろうと予想できます。

「利益を1%しか出していない」ということと「利益を1%しか出せない」というのは全く違います。

また「節税のために利益を1%しか出していない」ということと「従業員や関係先に利益を還元して、利益を1%しか出していない」ということも、全く意味が違います。

数字のコンテクスト(文脈)を読むということは、そういうことです。

利益率という一つの視点しかなければ、それ以外の可能性が見えなくなる。

何が正解ということはなくて、利益に対する考え方は会社それぞれ。

それこそ、一社一社個性が違います。

もっと会社の多様性が認められる社会になってほしい。

そのためのアクションを一つ一つ積み重ねていきたいと思います。

2018.02.01