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税理士 / 中小企業診断士 / イノベーション・コーディネーターとして働く中で田中慎が考えたこと・感じたこと税理士 / 中小企業診断士 / イノベーション・コーディネーターとして働く中で田中慎が考えたこと・感じたこと

2013.03.29

税務会計

前期より設備投資を増やした場合の優遇税制(生産等設備投資促進税制の創設)

ポイント

機械装置などの生産等設備を前期に比べ110%以上取得すれば、機械装置の取得価額の30%の特別償却か3%の税額控除が受けられる可能性があります。

 

生産等設備投資促進税制

 

内容

平成25年度税制改正で製造業等の設備投資について優遇税制が創設されました。国内の設備投資を活性化する目的です。

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平成25年度税制改正について(平成25年1月)経済産業省

 

適用を受けるためには

・平成25年4月1日から平成27年3月31日までの間に開始する事業年度に取得したものであること。

・当期に取得した生産等設備の合計額が、前期に取得した生産等設備の合計額の110%超であること。

・当期に取得した生産等設備の合計額が、当期の減価償却費を超えること。

たとえば、前期に500万円機械装置を取得、当期に600万円機械装置を取得しており、当期の減価償却費は全体で400万円だとします。(簡便化のため機械装置=生産等設備と考えます。)

600万円 > 500万円×110%=550万円(前期より110%超増加)

600万円 > 400万円 (当期の減価償却費超)

なので要件を満たし、以下のいずれかの適用を受けることができます。

600万円×30%=180万円 (特別償却)

600万円×3%=18万円 (特別控除:ただし、法人税額の20%を上限)

 

生産等設備とは

生産等設備とは、製造業等の事業の用に使われる減価償却資産をいいます。なお、建物、事務用器具備品、乗用自動車、無形固定資産などは除かれます。機械装置よりも範囲が広くなっています。

詳しくはまだわかりませんが、以下の通達と同じ範囲を指定しているでしょうから、適用の際は確認が必要です。

第12条((特定地域における工業用機械等の特別償却))関係|所得税関係 措置法通達目次|国税庁 12-1(生産等設備の範囲)

 

 

適用が受けられる優遇

機械装置の取得価額の30%の特別償却又は3%の税額控除が選択できます。この対象となるものは、要件に使った生産等設備のうち機械装置だけが対象となります。範囲が異なるので注意が必要です。

 

 

従来の特別償却・特別控除は適用を受けることができる資産が限定されていましたが、この制度では製造業の機械装置が主な対象となりますので、多くの法人にとって適用が考えられるでしょう。

前期より10%多く機械装置を取得していれば適用が考えられるので、決算では忘れないように検討しなければなりませんね!

 

(参考)

平成25年度税制改正の大綱(3/5) : 財務省

2013.03.29